イタリア情報

最近のイタリア情勢

 

 f 基礎 データ

 

最近のイタリア内政情勢

 s 内政

 d 外交

 s 経済

 a 日伊関係

 

平成26年11月
在イタリア日本国大使館

 

 

(注)肩書きはいずれも当時。

 

1. 
(1)レッタ政権の崩壊

2014年2月13日に行われた民主党全国幹部会において、レンツィ書記長(当時フィレンツィ市長、昨年12月に書記長に選出)は、レッタ政権は成果を挙げておらず、新たな内閣を形成し各種政策を実行すべきとの提案を行い、これが圧倒的多数にて承認された。これを受け、14日レッタ首相はナポリターノ大統領に対し辞任の意向を伝達した。

 

(2)レンツィ政権の発足
ナポリターノ大統領は、各政治勢力との一連の協議を実施し、17日、レンツィ民主党書記長に組閣を指示した。レンツィ書記長は各党代表との政策・連立協議を行い、21日、ナポリターノ大統領に対し首相職を正式に受諾する旨を伝達、22日、レンツィ新政権が発足した。レッタ前政権を支えた民主党(中道左派)、新中道右派(中道右派)及び中道勢力によるレンツィ連立政権は、24日に上院、25日に下院にてそれぞれ信任を得た。議会での施政方針演説においてレンツィ首相は、昨年12月に憲法裁判所から違憲判決を下された選挙法の改正、各種制度改革、労働市場改革、行政改革、税制改革等に早急に取り組む旨表明した。


(3)最近の動き
5月25日の欧州議会選挙において、レンツィ首相率いる与党民主党が40%を超える支持を得て圧勝し、レンツィ首相による政治、経済、雇用等多岐に亘る制度改革への努力が肯定的に評価されていることが裏付けられた。
現政権は、安定的な政権運営を行うため、選挙法の改正や上院の改革をはじめとする憲法改正に取り組んでいる。また、レンツィ首相は、労働憲章を改定し、企業による労働者解雇を容易にし若年層の正規雇用を促進することを通じ、若年層の失業率を低下させるとともに企業の競争力を強化することで、経済成長を達成することを目指している。

 

  2.外交
伊外交は、従来、欧州統合の推進及び大西洋同盟の強化を二つの柱とした上で、近隣である地中海・中近東地域との関係も重視する方針をとっている。欧州統合については、EUが一つの声で発言し、国際社会において役割を果たすべきとしているほか、バルカン諸国やトルコの加盟を支持している。大西洋同盟については、欧州がその役割を然るべく果たしつつ、米国との関係強化に努めていくべきとの考えを有している。また、北大西洋条約機構(NATO)の枠組みを通じた協力を重視しており、アフガニスタンにはNATO・ISAF(国際治安支援部隊)やUNAMA(国連アフガニスタン支援ミッション)マンデートの下、多数の兵員を派遣している。なお、国連安保理改革については、新たな常任理事国の設置や拒否権付与に反対し、非常任理事国の拡大を主張するコンセンサス・グループ(UFC)の中心メンバー。


(1)欧州
(ア)EU:原加盟国であり、英仏独との横並びから重視。レンツィ首相は就任早々、仏や独等の首脳との電話会談を行っている。リスボン条約は08年7月に批准。現在、欧州理事会における伊の票数は29票(全加盟国間で345票を配分。29票は英仏独と並んで最大)。モゲリーニEU外務・安全保障政策上級代表(欧州委員会副委員長)を輩出(ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁も伊出身)。伊は2014年後半のEU議長国を務めている。
(イ)バルカン諸国:同地域の安定が伊の治安にとり重要な要素となっており、 汚職・組織犯罪対策をはじめ各種支援を行っている。また、コソボ独立宣言後のセルビアをはじめとして、西バルカン諸国のEU加盟を積極的に支持している。
(ウ)ロシア:世界の諸問題について協力していくべき戦略的パートナーとして位置づけ、2014年7月にはモゲリーニ外相が訪露しプーチン大統領及びラブロフ外相と会談するなどしてきたが、ウクライナ情勢を受け対露外交の見直しを迫られている(伊は、G7及びEUの一員として、ウクライナの主権と領土的一体性の尊重等を求めるとともに、ロシアとの対話の重要性を強調する立場)。一方、イタリアにとってロシアは、エネルギー、特に天然ガスの供給元として経済的にも重要であり、対露関係の重要性は不変。

 

(2)中東・地中海地域
地中海・中東諸国との関係を重視し、政治・経済面での関係強化を図っている。地中海沿岸、特に旧植民地であるリビアをはじめとする北アフリカ諸国との関係は、地理的近接性、不法移民対策、エネルギー資源確保の観点から重視。昨今の北アフリカにおける危機に関しては、民主化を目指す政治的転換及び改革を支持し、NATOによる対リビア軍事作戦に参加する等、地中海地域の一員として存在感を示している。
(ア)中東和平:イスラエル、アラブ諸国の双方に概ね等距離の外交を展開。中東和平問題の解決には全ての関係者が関与すべきとの立場。2012年11月のパレスチナに非加盟オブザーバー国ステータスを付与する国連総会決議には賛成票を投じた。2013年7月には、レッタ首相が、2014年7月にはモゲリーニ外相がイスラエル及びパレスチナを訪問。
(イ)シリア:バッシャール・アサド政権による弾圧を厳しく非難し、2011年8月には欧州諸国としては初めて大使を協議のため帰国させた。2012年3月には在シリア大使館を閉鎖、5月には在ローマのシリア大使にペルソナ・ノン・グラータを宣告。反体制派の「国民連合」を承認。2013年2月に、一部のシリア・フレンズ諸国との閣僚級会合(いわゆる「ロンドン11」)をローマで開催。伊は一貫して交渉による政治的解決を主張し、化学兵器使用は人道に対する犯罪として強く非難するも、国連安保理決議なくして軍事行動には参加できないとの立場。
(ウ)レバノン:UNIFIL(国連レバノン暫定隊)のマンデートの下、約1100名の兵士を派遣中。2014年6月、UNIFIL新司令官に伊陸軍のポルトラーノ少将が任命された。
(エ)エジプト:中東・地中海地域の安定、経済関係から重視。2013年7月以降の情勢変化に際しては、治安部隊による実力行使を非難しつつも、ムスリム同胞団に対しても批判的な立場。
(オ)リビア:旧植民地であるリビアとは常に深い関係を有するが、2011年初旬のリビア危機に際しては、植民地支配の過去があるためできる限り武力介入は控えたいという思惑と、NATO及び国際社会からの圧力との間で難しい舵取りを迫られた。伊は、リビアを始めとする北アフリカから、海路欧州を目指す不法移民受け入れの最前線にあり、EUに対しても、欧州全体の問題として対応に当たることを求めている。2014年3月には、ローマでリビア支援閣僚級会合を開催。
(カ)イラン:伊はイランの重要な貿易相手国。いわゆるEU3+3の一員ではないが、イランの核問題を懸念。イランを対話の場に引き戻すためのEUによる制裁を支持(伊の原油輸入のうちイラン産が約13%を占めていた(2011年1月~9月平均、IEA)が、2012年7月以降、EUによる制裁に従い、一部を除き原油輸入を停止)。一方、レッタ政権はイランに対する積極姿勢を示し、2013年12月にはボニーノ外相がイランを訪問した(伊外相による訪問としては8年ぶり)。
(キ)アフガニスタン:テロとの戦い、大西洋同盟、NATOの信頼性の問題ととらえ重視。約2000名の兵士を派遣。ヘラートでのPRT(地方復興チーム)の指揮を執っている。2012年1月にはカルザイ大統領が訪伊し、二国間のパートナーシップ・協力協定に署名。11月にはモンティ首相がヘラート及びカブールを電撃訪問し、カルザイ大統領と会談した。

 

(3)米国
イタリアから多くの移民を送り出していることもあり、伝統的に米国への親近感があるほか、政治・経済・軍事(伊はNATOの原加盟国であり、現在でも米第6艦隊の母港が置かれ、約1万名の米兵が駐留)等の各分野で緊密な関係を有する。2013年2月にはナポリターノ大統領が訪米したほか、10月にはレッタ首相が訪米し、オバマ大統領と会談を行った。2014年3月には、オバマ大統領が訪伊し、レンツィ首相との間で会談を実施。

 

(4)アジア
(ア)中国:経済成長に注目し、世界のガバナンスの観点からも同国が国際社会の「責任あるアクター」となるよう促すとの姿勢。2011年6月には習近平国家副主席が訪伊(伊統一150周年記念)、7月にはフラッティーニ外相が訪中、2012年3月にはモンティ首相が訪中、2013年10月には王毅外相が訪伊、2014年6月にはレンツィ首相が訪中するなど、経済を中心に関係強化を図っている(2014年10月のASEM10の際には李克強首相が訪伊)。
(イ)北朝鮮:北朝鮮とは、2000年にG7としては初めて外交関係を樹立しているが、平壌には実館を置いていない(在韓国伊大使館が兼轄)。
(ウ)その他アジア諸国:ベトナムについては、アジアのなかでもビジネス機会が期待できると考えている趣であり、2014年3月にはホーチミンに総領事館を開設したほか、6月にはレンツィ首相がハノイを訪問するなど重視。ミャンマーについては、最近の改革努力を評価し、EUによる制裁の緩和を支持。2012年4月にテルツィ外相がミャンマーを訪問したほか、2013年3月にはテイン・セイン大統領が、同年10月にはワナ・マウン・ルイン外相が訪伊した。また、10月にはアウン・サン・スー・チー女史が訪伊した。なお、インドとは、2012年2月にインド洋を航行する民間商船(エンリカ・レクシー号)に搭乗して海賊対策に従事していた伊海軍兵士2名がインド人漁民への発砲・殺害容疑でインド当局に拘束され、その後累次の働きかけを行っているものの解決に至っておらず、関係が緊張している。

 

(5)アフリカ
アフリカについては、平和構築分野に力を入れるとともに、ODAの優先地域と見なしている。ソマリア沖海賊問題では、NATOオーシャン・シールド作戦及びEUアタランタ作戦のいずれかに艦艇1隻を常時派遣。伊は増加するアフリカからの移民対策を重視しており、2014年後半のEU議長国としての優先課題に挙げるとともに、ソマリアなど「アフリカの角」諸国安定化に寄与している。その文脈では、EUのソマリア国軍訓練部隊(EUTM)の司令官を引き受けている。

 

(6)その他
人権分野では、死刑廃止問題のほか、女性や宗教マイノリティの保護等も重視。
軍縮・不拡散、特に核軍縮については、我が国と立場が近く、我が国の国連総会核軍縮決議案につき例年共同提案国となっている。

 

3.経済・財政の現状 


(1)経済状況全般
(ア)イタリアのGDP(2013年、名目)は2.07兆米ドルで、世界第9位、ユーロ圏第3位の規模であり、日本の約4割。また、同年のイタリアの一人あたりGNI(国民総所得)は34,400米ドルと、世界第20位であり、欧州では第13位(日本は46,140米ドルで世界第13位)。

(注)出典:世銀ホームページ(2014年9月)

 

 

2013年名目GDP

16.8

9.2

4.9

3.6

2.7

2.5

2.2

2.1

2.1

1.9

(兆米ドル、世銀)


(イ)イタリア経済は、ユーロ導入以降一貫してユーロ圏平均より低い経済成長率となっている。2011年には、低成長やギリシャをはじめとするソブリンリスクの高まりを背景に夏頃から国債金利が急上昇し、金融環境の悪化、国内需要の減少等により年後半からマイナス成長となった(2011年通年では0.6%)。その後、2012年▲2.3%、2013年▲1.9%とマイナス成長が続き、2014年も▲0.4%の見通しとなっている。

 


08年

09年

10年

11年

12年

13年

14年※

実質GDP成長率

▲1.2

▲5.5

1.7

0.6

▲2.3

▲1.9

▲0.4

(ユーロ圏平均)

0.4

▲4.5

2.0

1.6

▲0.7

▲0.5

0.8

(対前年比%、欧州委員会、*2014年秋の見通し)

 

 

(2)物価動向
イタリアの物価上昇率は、ユーロ圏平均と概ね同程度の水準で推移してきた。2012年にはエネルギー価格の上昇及び付加価値税増税の影響等から3%を超えたものの、その後は再びユーロ圏平均と同程度の水準となっている。

 

 

08年

09年

10年

11年

12年

13年

14年※

HICP

3.5

0.8

1.6

2.9

3.3

1.3

0.2

(ユーロ圏平均)

3.3

0.3

1.6

2.7

2.5

1.4

0.5

(対前年比%、欧州委員会、*2014年秋の見通し)


(3)雇用動向
2008年以降、国際金融危機を受けた経済の低迷が影響し、2013年の失業率は12.2%と高い水準を記録した。なお、雇用に係る構造的問題として、若年層失業率が高いこと(2013年の若年層失業率(15歳から24歳)は40.0%)、南北で失業率の格差が大きい(南部の失業率は北部の2倍以上)ことが挙げられる。

 

 

08年

09年

10年

11年

12年

13年

14年※

失業率

 6.7

 7.8

8.4

8.4

10.7

12.2

12.6

(ユーロ圏平均)

 7.6

 9.6

10.1

10.1

11.3

11.9

11.6

(%、欧州委員会、*2014年秋の見通し)


(4)財政状況等
EU加盟国は、安定・成長協定に基づき財政赤字対GDP比を3%以内に維持することが義務付けられているが、国際金融危機による2008年後半からの景気悪化等を受け、2009年のイタリアの財政収支は▲5.3%となり、過剰財政赤字手続が適用された。
低成長やギリシャをはじめとするソブリンリスクの高まりを背景に、2011年夏頃からドイツとの国債金利スプレッドが急拡大し、ユーロ圏の金融危機が懸念される状況が発生した。ベルルスコーニ政権は、市場の安定化を図る観点から、財政収支均衡を2013年に実現する内容の財政健全化策等の改革策を取りまとめたが、改革策の実施面への懸念を払拭することができず、国債金利の上昇を止めることができなかった。
2011年11月に発足したモンティ政権においては、2013年の構造的財政収支均衡と経済成長を目指し、2011年12月に取りまとめた財政健全化策をはじめ、労働市場改革、経済成長策、歳出見直し等の政策パッケージを実施した。
レッタ政権下の2013年6月には、2009年12月以降適用されていた過剰財政赤字手続が解除された。
レンツィ政権は、EUの財政ルールを全体として尊重するとしつつ、経済活性化のために、労働市場改革、税制改革、海外からの投資促進策等に取り組んでいる。

 

 

08年

09年

10年

11年

12年

13年

14年※

財政赤字対GDP比

▲2.7

▲5.3

▲4.2

▲3.5

▲3.0

▲2.8

▲3.0

(ユーロ圏平均)

-

-

▲6.1

▲4.1

▲3.6

▲2.9

▲2.6

(%、欧州委員会、*2014年秋の見通し)

 

4.日伊関係 


(1)要人往来:
両国は、伝統的に友好関係にあり、G8の場でも協力。
2009年には、日本から、G8各閣僚会合出席のため、中川財務大臣(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議、2月)、渡辺厚生労働副大臣(労働大臣会合、3月)、石破農林水産大臣(農業大臣会合、4月)、斉藤環境大臣(環境大臣会合、4月)、二階経済産業大臣・西村外務大臣政務官(エネルギー大臣会合、5月)、御法川外務大臣政務官(開発大臣会合、6月)、与謝野財務大臣(財務大臣会合、6月)、中曽根外務大臣(外務大臣会合、6月)が訪伊した。7月にはG8ラクイラ・サミット出席のため麻生総理が訪伊した。
イタリア側は、「イタリアの秋・2009」の期間にあわせ、ナポリターノ大統領が訪日した(クラクシ外務政務次官同行)。  
2010年には、皇太子殿下が、3月ガーナ及びケニア公式訪問の後にローマにお立ち寄りになられ、ナポリターノ大統領と懇談された。
イタリア側は、4月に、アレマンノ・ローマ市長が、ローマ市高校生10名等とともに、東京・広島を訪問した。
2011年には、1月に伴野外務副大臣、4月に高橋外務副大臣が経済関係強化などを協議するため訪伊した。5月にはIJBG(日伊ビジネスグループ)会合参加のため、クラクシ外務政務次官が、10月には伊日友好議連が訪日した。
2012年には、3月にモンティ首相及び同夫人が実務訪問賓客として来日し、野田総理、安住財務大臣と会談を行った他、6月にはディ・パオラ国防相が来日し(伊の国防相来日としては初めて)、森本防衛大臣と会談を行った。日本からは、10月に郡司農林水産大臣がFAO食料価格変動に関する閣僚級会議出席のため、11月に小平国家公安委員会委員長がICPO大臣会合出席のため訪伊した。
2013年には、5月に江渡防衛副大臣が訪伊し、マウロ国防相と会談を行った。7月にはダッスー副外相が訪日、10月にはIJBG会合参加のため、アルキ副外相が来日し、岸外務副大臣と会談をおこなった。また、安倍総理とレッタ首相は、6月のG8ロック・アーン・サミット及び9月のG20サンクトペテルブルク・サミットの機会に会談を行った。
2014年3月にハーグで行われた核セキュリティ・サミットの機会に安倍総理とレンツィ首相は会談を行った。同5月、林農林水産大臣が訪伊し、マルティーナ農林政策相と会談を行った。また、同月、茂木経済産業大臣がG8エネルギー大臣会合出席のため訪伊し、グイディ経済振興相と会談を行った。さらに、同月、小野寺防衛大臣が訪伊し、ピノッティ国防相と会談を行った。6月には安倍総理が訪伊し、レンツィ首相と会談を行った。8月には、甘利経済再生担当大臣が訪伊し、パドアン経済財政相と会談を行った。続く9月、ASEM財務大臣会合出席のため、麻生財務大臣が訪伊(ミラノ)し、パドアン経済財政相と会談を行った。10月にはASEM首脳会合出席のため、安倍総理が再度訪伊(ミラノ)し、レンツィ首相と会談を行った。


(2)貿易:
2013年の日伊間貿易額は、日→伊3,193億円、伊→日9,306億円。なお、日本から見た対イタリアの輸出入のシェアはそれぞれ1%前後。日本からの主要輸出品目は、一般機器、自動車・オートバイ等、化学品、電子機器。イタリアからの主要輸入品目は、医薬品、衣類、バッグ、一般機器。


(3)投資:
2013年末時点における日本からイタリアへの直接投資残高は3,204億円で、販売店網の創設や製造業の買収に係る投資が多い。現在、イタリアに進出している日本企業は約223社(2013年)。イタリアから日本への直接投資残高は897億円で、服飾関連業者を中心とした投資が行われている。現在、日本に進出しているイタリア企業は約72社(2013年)。


(4)経済交流:
日伊ビジネスグループ会合(日本側:三井物産・飯島社長、伊側:ザッパ・フィンメカニカ社元社長)により、1989年来両国の経済人が毎年往来。2013年は、田中経済産業大臣政務官、アルキ伊外務副大臣等の出席の下、10月に東京で第25回本会合が開催され、2014年10月にはトリノで第26回本会合が開催された。


(5)日伊社会保障協定:
2009年2月6日にローマにて署名が行われ、日本では国会の承認を得た。現在、イタリアで国会審議中。


(6)日伊情報保護協定:
2013年2月3日に日伊政府間で交渉開始に合意し、同月5日に第1回締結交渉会議がローマにて行われた。2014年4月14日に第2回締結交渉会議が東京にて行われた。


(7)航空路線:
日伊間で週27便(2014年夏ダイヤ)が運航。(日本企業:日本貨物航空(週5便)、伊企業:アリタリア(週19便)なお、2010年9月末をもって日本航空は撤退。


(8)在留邦人:
12,563人(2011年)。(うち,ミラノを含む北部8州 7,365人,ローマを含むエミリア・ロマーニャ州以南 5,198人)


(9)労働許可・査証:
邦人企業駐在員等に対する労働許可・査証の取得に時間がかかっている点及び邦人による滞在許可証の取得が困難となっている問題に関し、日本側よりイタリア政府に対し、重ねて申入れを行った結果、一定の改善が見られている。


(10)観光:
年間30万人の日本人がイタリアを訪問(日本旅行業協会(JATA)統計に基づく推定値)。一方、伊人の日本訪問者は年間約5万人前後で推移し、震災直後には大きく落ち込んだものの、2013年は約6万7千人と過去最高となった。2014年2月にはミラノ国際観光展(BIT)に、10月にはリミニ国際観光展(TTG)に日本政府オフィシャルブースを出展するなど、訪日伊人の更なる増加に向けた努力が行われている。


(11)文化:
(ア)1954年に締結された日伊文化協定に基づき、これまでに文化混合委員会を10回開催。公的には国際交流基金のローマ日本文化会館及び東京にあるイタリア文化会館、民間では日伊協会(弦間明会長)及び伊日財団(ウンベルト・バッターニ会長)をはじめとして数多くの企業・団体がそれぞれ文化交流事業を推進している。また、イタリアでの日本研究者の組織としては伊日研究学会(AISTUGIA)(1973年発足)が、日本でのイタリア研究者の組織としてはイタリア学会(1952年発足)がある。イタリアの大学では、現在、計19大学22学部で日本語が教えられている。日本ではイタリア語コースを設けている大学は74校(内、短期大学9校)である。
(イ)イタリアでは、2009年以降毎年、ローマ市内のテヴェレ川の中州であるティベリーナ島の夏の映画祭「イゾラデルチネマ」において、ローマ市民に日本映画や日本文化紹介行事が開催されている。2009年の「Japanitaly」の開会式には麻生総理大臣、アレマンノ・ローマ市長が出席した。2014年は「日本の夏2014」として、最新の日本映画の上映の他、日本酒紹介や、琴の演奏、書道ワークショップ等が実施された。また、2009年以降、ローマ最大のアニメとポップカルチャーのイベントRomics(ロミックス)で日本文化の紹介が行われている。
スポーツ交流や、姉妹都市における日本文化イベントなども活発に行われているほか、イタリアにおける和食と日本食の普及、理解促進のための行事も実施されてきている。
(ウ)2013年(慶長遣欧使節400周年)中の交流行事
2013年は慶長遣欧使節団(支倉常長使節団)がスペインとイタリアに向かって日本を出発して400周年に当たり、同時にローマ日本文化会館開館50周年に当たることから、様々な文化行事が実施された。2月から5月には、ローマ近代美術館において、京都国立近代美術館とローマ日本文化会館の主催による「近代日本画と工芸の流れ1868~1945」展が開催された。また、10月には国際交流基金の主催でアルジェンティーナ劇場に於いて「杉本文楽」の公演が行われた。
日本においては、2013年、「日本におけるイタリア2013」として、「レオナルド・ダヴィンチ」展、「ラファエロ」展等をはじめとして様々な事業が開催された。
(エ)このほか、フィレンツェ三大教会の一つであるサンタ・クローチェ教会大礼拝堂の壁画が日本の協力(国立大学法人金沢大学による国際貢献事業)により修復され、2011年6月に完成記念式典が実施された。
なお、2013年12月、茨城県牛久市とトスカーナ州グレーヴェ・イン・キャンティ市とが友好都市提携を結んだ。現在、両国間には40の姉妹都市関係がある。


(12)ラクイラ地震支援:
日伊間の具体的協力として、2009年7月、麻生総理とベルルスコーニ首相がラクイラ地震被害支援策として合意した、日本の耐震技術を活用した体育館兼避難所建設及び建築家の坂(ばん)茂氏の設計によるコンサートホール建設に当たり、それぞれ576万ユーロ、60万ユーロが伊側に供与された。体育館兼避難所は2015年完成見込み。コンサートホールでは、2011年5月7日、日本より西村智美氏を迎え、ラクイラ市音楽院関係者による落成記念コンサートが開催された。その他、日本で募られた義援金が、ラクイラ大学に対しその復興を目的として供与された。


(13)東日本大震災に際しての伊からの支援:
2011年3月11日の東日本大震災に際しては、ナポリターノ大統領他伊要人からお見舞いの言葉が寄せられた。4月5日にイタリア外務省で開かれた「日本に対する友情と連帯」会合(上院外交委員長、外相、教育相他出席)を初めとして、各地で我が国を支援するための官民の団体による多くの行事が開催された。また、2012年3月、大使公邸にて追悼行事が行われ、ナポリターノ大統領等伊要人が参列した。

 

(了)