1 治安情勢及び一般犯罪の傾向等
警察による治安対策が一定の成果を挙げているが、スリ、ひったくりなどの短絡的な犯罪被害は後を絶たない。このほか、引き続き中東諸国等における政情不安等を背景に、島嶼部を含むイタリア南部に多数の移民等が押し寄せ、 特別在留許可を得た者を含む多数の移民がローマやミラノなどの都市部に流入している
2 日本人被害例
冬休みということもあり多くの日本人がローマを訪れ、スリ被害等も多発した。
(1)スリ 31件(7月~9月 44件)
・コロッセオを散策中、かばんが開けられており財布が盗まれていた。
・混雑した地下鉄/バス内でカバンを開けられ、財布等がなくなっていた。
(2)置き引き 24件(7月~9月 24件)
・電車の中で「写真を撮ってあげる」と声をかけられ撮ってもらった。気がつくとイスの上にあったカバンがなくなっていた。
・レストランでカバンを椅子と背中の間に挟んで食事をしていた。いつの間にか背中が椅子と離れてしまい、カバンがなくなっていた。
(3)ひったくり 7件(7月~9月 7件)
・ローマ市内を散策中、2人組のバイクに乗った男にカバンを奪われた。
・市内ホテル前で空港に向かうバスに男が乗り込んできて、タスキ掛けのカバンを引きちぎられ奪われた。
3 殺人・強盗等凶悪犯罪例
(1) 殺人(日本人被害なし)
10月27日
真夜中ローマ郊外で26歳と35歳の男性が拳銃で撃たれたと軍警察に通報があった。直ちに軍警察と救急が駆けつけ病院に搬送されたが死亡した。男性2人には麻薬取引の前科があった。細部は軍警察が捜査中である。
11月16日
ローマ郊外で23歳の女性が車の中で男に拳銃で撃たれ死亡した。撃った男は女性の婚約者であった。2人は車を走行中に些細なことで喧嘩になり男が発砲したもよう。細部は現在も警察が捜査中である。
11月27日
ローマ郊外で32歳の男性と43歳のアルバニア国籍男性が口論となり32歳の男性がナイフで刺されて死亡した。2人は同じ建物の住人であった。
細部は警察が調査中である。
12月17日
74歳の男が71歳の妹を包丁で刺して死亡させた。男の自白によると妹は体の調子が悪く寝たきりの状態であった。男は介護疲れ及び将来を悲観して犯行に及んだもよう。細部は軍警察が捜査中である。
(2) 強盗窃盗
10月24日
市内の銀行にマスクをかぶりナイフで武装した男が押し入った。銀行員が緊急アラームを押下し、軍警察が急行して男を取り押さえた。逮捕された51歳の男は4年前までこの銀行の店長であった。
11月30日
市内の銀行に拳銃で武装した男が押し入った。銀行員が消火器等で男に反撃すると男は何も盗らずに逃走した。細部は警察が捜査中である。
12月2日
市内のお店に武装した2人組の男が押し入り、金品を奪いバイクで逃走した。店員によると男にはルーマニア訛りのアクセントがあった。細部は警察が捜査中である。
12月14日
市内で偽警察を装い、観光客から金品を奪おうとした男達が逮捕された。
逮捕されたのはいずれもイラン国籍の男であった。男達は偽の身分証等をちらつかせ英国人の観光客から金品を奪おうとしていたところ、巡回中の軍警察によって逮捕された。
(3) 強姦 (日本人被害なし)
11月19日
市内で21歳のルーマニアからの留学生が同じルーマニア国籍の男に乱暴された。男は犯行の一部を携帯電話で録画しており、被害を誰かに打ち明けた場合、ネットに流すと脅迫されていた。女性は両親に相談し、両親から通報を受けた国家警察により男は逮捕された。
(4)その他
特になし。
4 テロ・爆弾事件発生状況
テロ・爆弾事案は発生していないが、11月後半ローマのいたるところで不審物騒動が連続して発生し、発生現場周辺が一時閉鎖または交通機関が停止するなど混乱する事態等が複数回発生した。
11月18日 市内路上にあった持ち主不明のかばんを爆発物と疑い。
11月19日 地下鉄駅構内にあった持ち主不明の箱を爆発物と疑い。
11月22日 市内教会内にあった持ち主不明の箱を爆発物と疑い。
11月25日 空港内にあった持ち主不明のかばんを爆発物と疑い。
11月27日 アリタリア航空事務所近くに停車していたイギリスのナンバープレートが付いた車を不審車両と疑い。
11月30日 地下鉄駅構内にあった持ち主不明の箱を爆発物と疑い。
5 誘拐・脅迫事件発生状況
特になし。
6 対日感情
特になし。
7 日本企業の安全に関する諸問題
特になし。
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