東日本大震災をめぐる
イタリア、アルバニア、マルタ、サンマリノでの日本支援エピソード集

 

現在、上記の国で東日本大震災をめぐる日本支援のイベントが数多く開催されていますが、当館ホームページでは特に以下を紹介致します。

 

1.日本に捧げるローマ・マラソン 

 ローマでは、毎年3月下旬に市内を走るローマ・マラソンが開催されており、今年も3月20日、10万人の国内外のランナーがフル・マラソンと5キロ走に挑戦しました。このマラソンでは、開会挨拶で、主催者であるアレマンノ・ローマ市長が、「このローマ・マラソンを日本に捧げる」として日本国旗を掲げた他、沿道で日本国旗の小旗が振られたり、外国人ランナーが日本国旗を掲げる姿が多く見られました。また、日本人ランナー(当館館員含む)に対し、沿道や他のランナーが次々と、被災地への激励のメッセージや応援の言葉をかけていました。

 

2.「日本がんばれ」イベントの開催

 3月20日、アレマンノ・ローマ市長と伊日協会のイニシャティヴにより、ローマ市内中心部の遺跡博物館「アラ・パーチス(平和祭壇)」で、茶道とピアノコンサートを中心とした「日本がんばれ」イベントが開催され、300名以上のイタリア人が参加しました。

 

3.イタリア統一150周年記念コンサートにおける下院議長挨拶

 3月21日、イタリア下院にて国家統一150周年記念行事の一つとして、ムーティ指揮者の下、ローマ・オペラ座によるコンサートが行われ、本コンサートには安藤大使も出席しました。コンサート冒頭、フィーニ下院議長は挨拶の中で、イタリア文化、特にイタリア音楽を愛する日本国民が大規模な自然災害による被害を受けており、友好と連帯を表明するためにも今回のコンサートを日本国民に捧げ、被災地域の復興を願う旨述べました。

 

4.「連帯のリボン」(ソレント市「ジャパン・デイズ」)

 32627日、『帰れソレント』で知られる観光地ソレント市で、文化交流イベント「ジャパン・デイズ」が開催されました。市内の教会では、クオモ・ソレント市長も列席の下、東日本大震災の犠牲者に対する特別ミサが行われ、観光客で賑わう商店街では「ソレントは日本のみなさんと共にいます」との日章旗やイタリア三色旗をあしらった「連帯のリボン」ポスターが至る所で見られました。

 

5.ラクイラ震災二周年記念コンサート

 ラクイラ震災の悲劇から二年目に当たる46日、ローマ市中心部カンピドーリオの丘に立つ教会で記念コンサートが開催され、同コンサートには、ラクイラ出身のレッタ首相府政務次官やアレマンノ・ローマ市長等が出席しました。ラクイラのあるアブルッツォ州のパガーノ州議会議長は、コンサート挨拶の中で、309名の犠牲者を出したラクイラ地震の悲劇に重ね合わせながら、東日本大震災の犠牲者へのお悔やみを述べました。また、同議長は、日本の犠牲者とその家族への連帯と友情の証として、ラクイラのサンタ・マリア・ディ・コッレマッジョ大聖堂のバラ窓をあしらった楯を、安藤大使に贈呈しました。同日、同大聖堂ではナポリターノ大統領も出席した犠牲者追悼のミサも行われました。コンサートでは、東日本大震災の犠牲者に対して一分間の黙祷が行われ、モーツァルトの「レクイレム」等が荘厳な雰囲気の中で演奏されました。

 

6.伊外務省主催「日本に対する友情と連帯(Friendship and Solidarity to Japan)」会合

 45日、伊外務省国際会議場において,フラッティーニ外相、ジェルミーニ教育・大学・研究大臣、クラクシ外務政務次官、ディーニ上院外交委員長同席の下、「日本に対する友情と連帯(Friendship and Solidarity to Japan)」会合が開催された。会合には政府関係者のみならず、地方自治体、財界、音楽界、スポーツ界、人道支援関係者など幅広い分野を代表する多数の関係者が集まり、被害者への追悼の意と、被災者及び我が国政府に対する連帯の意が表明され、様々な支援の提案や募金の呼びかけが行われました。 会議では、フラッティーニ外相等が、東日本大震災で忍耐強く目標に向かって努力する日本人の在り方への感銘を述べた他、ラクイラ・コンサートホールの建設をはじめとするラクイラ地震に対する日本政府の支援にも言及し、今度はイタリアが日本を支援する番であるとの発言が多くありました。

 

7.ラクイラ音楽ホール落成コンサート

 5月7日、2年前のラクイラ地震に対する我が国の支援として、坂茂氏設計により建設されたラクイラ音楽ホールにおいて、西本智実氏の指揮により落成コンサートが開催されました。会場では、東日本大震災に対して当館宛にイタリア全国から寄せられた子供達の絵がパネル展示され、寄せられた菅総理のメッセージに対して涙ぐむ観客も見られました。今次震災に対する両国の連帯、そして我が国復興への決意を示す場となり、ベルルスコーニ首相がメッセージの中で「日伊の国民をつなぐ架け橋」と評したように、お互いの震災の中で手をさしのべ合ってきた日伊二国間協力の象徴として末永くイタリア人の記憶に残るものとなりました。

 

8.ローマ市イニシアティブによる「日本がんばれ」ポスター

 4月中旬より、日本支援を呼びかける「日本がんばれ」ポスターがローマ市により作成され、市内各所や路線バス等に掲示されました。ポスターにはローマ市の電話番号とホームページのURLが記載されており、アクセスすると募金に関する情報が流れる仕組みとなっています。

 

9.イタリア主要大学による被災支援チャリティー・イベント

 4月11日、当地有数の日本語学科を有するヴェネツィア大学「カ・フォスカリ」主催によるチャリティー・イベント「メッセージ:カ・フォスカリ大学から日本」が開催され、日本に関するシンポジウムやコンサート、写真展などの催しや募金活動等が行われました。

 また、5月5日は同じく日本語学科を有するナポリ大学「オリエンターレ」主催によるチャリティー・イベント「日本のために-市民による瞑想」が実施され、日本の文学作品の朗読や短編映画の上映、コンサートなどの催しや募金活動等が行われました。

 

10.ローマ市主催「日本がんばれ」イベント

518日、ローマ市内カンピドリオ広場にて、アレマンノ市長、デ=パーロ教育評議員ら出席のもと、「日本がんばれ」イベントが開催されました。同イベントは、市内の小学校13校が参加した平和学習「広島プロジェクト」の最終セレモニーとして行われたもので、今回の東日本大震災を受け、我が国への激励と連帯の表明を前面に出した形で実施されました。イベントでは、市長と600人の地元小学生たちが、日本国旗の小旗を振りながら「日本がんばれ!」と声を合わせました。また、ローマ日本人学校生徒による「花笠踊り」、「ソーラン節」の披露、地元小学生による日本の歌の合唱に続いて、各校代表児童が折り鶴を携え、平和・日本への連帯メッセージを発表しました。

 

11.日本の子供達へのバラ

5月21日、ローマで開催された国際バラ新品種コンテスト(Premio Roma2011)において「こどものバラ」(La Rosa dei Bambini)賞受賞作品が発表されました。アレマンノ・ローマ市長は、「このバラを東日本大震災で被災した日本の子供たちに捧げる」と述べ、受賞を記念した盾が当館塩谷公使参事官に手渡されました。

 

12.マルタにおける日本の被災者支援のためのコンサート

 2011年7月13日、マルタ外務省内で、ボージ・マルタ副首相兼外相が主催する日本の被災者支援のためのコンサートが行われました。冒頭、司会者から東日本大震災の被害状況が紹介され、東日本大震災被災者に対するマルタからの連帯と支援を示すために本件コンサートを開催する旨の紹介がありました。その後、琴奏者の吉田美菜子氏、戸袋悦子氏により「みだれ」、「鳥のように」、「花―変奏曲」が、続いてバイオリン奏者Valhmor Montfort氏により「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」、「ガブリエルのオーボエ」がそれぞれ演奏されました。

 コンサートには、ボージ副首相兼外相、グレック・マルタ外務省事務次官、国会議員、駐マルタ各国大使など多数の方々が出席し、コンサートの最後には、ボージ副首相兼外相より河野大使に対し、マルタ政府から日本赤十字宛の寄附金が手渡されました。

 物理的な日本大使館がないマルタで、多くのマルタ要人が出席する中で開催された本件コンサートは、マルタからの日本に対する友情の証として印象的なイベントとなりました。