「Japan After Dark」(報告)

 

 

 

2013年10月2日夜、日本大使公邸において、伝統と現代の日本文化の粋を集めたイベント「Japan After Dark」が行われました。

当日はイタリア内政の動向に注目が集まった日でしたが、会場にはグラッソ上院議長、サッコマンニ経済財政大臣、ボニーノ外務大臣等を始めとする多くのイタリア政界のリーダーや文化人、経済人等が駆けつけました。会場は200名を越す人の熱気に包まれ、集まったゲストは、平野公邸料理人が提供する上質の和食に舌鼓を打ちながら、ショーの開始を待ちました。

日が暮れた後は日本発のファッションショーでイベントの幕開けです。紹介されるのは、日本人デザイナーとして唯一ミラノコレクションに1998年から参加し続けている荻野いづみ氏のブランド「アンテプリマ」が、設立20周年を祝ってこの夜のために特別にデザインした上質なファッション。夜の闇に映える衣装に身を包んだ13名のモデルたちが登場すると、観客からは大きな拍手がわきました。

河野大使のスピーチに続き、現代美術の巨匠杉本博司氏がプロデュースした「杉本文楽」のローマ公演のプレビューとして、「曽根崎心中」から「道行」が上演されました。公邸の庭の暗闇に突如浮かび上がったお初と徳兵衛の人形が、人形遣いの手で生きているかのような繊細な仕草で動き、太夫の語りと三味線の伴奏が緊張感ある場面を盛り上げました。作曲は鶴澤清治(人間国宝)、演じたのは桐竹勘十郎(人形遣い)、竹本文字久太夫(太夫)、鶴澤清介(三味線)の各氏をはじめとする、現代の文楽を担う一流の芸術家集団です。物語のクライマックスである心中の場面を、集まった大勢の観客は息をのんで見守りました。

本年は、支倉常長を団長とする慶長遣欧使節団がローマを目指して日本を出帆して400周年、また国際交流基金日本文化会館がローマに開設して50周年という記念の年であり、「Japan After Dark」はその節目の年を彩る特別なイベントになりました

 

 
   
   
  大使とグラッソ上院議長夫妻 大使とボニーノ外務大臣  
   
  大使夫妻とサッコマンニ経済財政大臣夫妻 大使夫妻とディーニ元首相夫妻  
   
  プロディ元首相 和食ビュッフェー  
   
  大使ご挨拶。荻野デザイナーの紹介 「アンテプリマ」ファッションショー  
   
  杉本文楽の一部上演 杉本文楽の一部上演  
   
  カーテンコール。人間国宝の鶴澤清治氏と演出の杉本博司氏。