海外安全対策情報2016年10月~12

 

 

 

1 治安情勢及び一般犯罪の傾向等
警察による治安対策が一定の成果を挙げているものの、スリ、ひったくり等の軽犯罪は依然として多数発生している。また、リビア等近隣国における法執行機能の不全等を背景にして、島嶼部を含むイタリア南部に、多数の移民が短期間で押し寄せ、特別在留許可を得た者を含む多数のアフリカ系移民が都市部に流入している。

2 日本人被害例
  ローマにおいては、日本人のスリ被害等が前四半期と同程度に発生している状況である。細部の被害状況については、以下のとおり。
(1)スリ 29件(7月~9月 31件) 
  ア ローマ市内の地下鉄車内で、10名程度の若者が不自然に接近してきたため、肩から提げていたバッグの中を確認したところ、旅券・クレジットカードがなくなっていた。
  イ ローマ市内の地下鉄で車両から降りた際、バッグのファスナーが開いていたことから中を確認したところ、パスポートがなくなっていた。
  ウ ローマ市内の混雑したバスの車内で、バッグのファスナーが開いていたことから中を確認したところ、パスポート・財布がなくなっていた。
  エ ナポリ市内でバスを降りた際、バックのファスナーが開いていたことから中を確認したところ、パスポート・クレジットカードがなくなっていた。
(2)置き引き 21件(7月~9月 16件)
  ア フィレンツェ市内のレストランで食事をした際、自身の椅子の背に掛けていたバッグを盗まれた。
  イ ローマ市内のバーで飲酒をした際、フロアに置いていたカバンを盗まれた。
  ウ ローマからフィレンツェまで電車で移動した際、網棚に乗せていたバッグを盗まれた。
  エ ローマ市内の路上で、見知らぬ男性から「服が汚れているから拭いてあげる」と声を掛けられたため、リュックサックを地面に置いて対応していたところ、別の人物にこれを盗まれた。
(3)ひったくり 11件(7月~9月 6件)
  ア ナポリ市内で、帰宅途中、背後から三人組の男性に、バッグをひったくられた。
  イ ナポリ市内で、バイクに乗った男性に、手に持っていたバッグをひったくられた。
  ウ ローマ市内で、バイクに乗った人物に、斜め掛けにしていたポシェットをひったくられた。
  エ ローマ市内の交差点で信号待ちをしていたところ、スクーターに乗った女性に、斜め掛けにしていたバッグをひったくられた。

3 殺人・強盗等凶悪犯罪例
  外国人が被害者となった事件が複数発生したものの、日本人の被害については認められなかった。同事件等の概要については、以下のとおり。
(1) 殺人
ア 10月27日
ローマ市内において、60歳代の夫妻が82歳の隣人男性に、自宅で射殺された。警察官が加害者宅へ向かったところ、同人の遺体を確認した。警察の調べによると、同人は犯行に使用したピストルで自殺したものとみられている。
イ 11月7日
ナポリ市内において、28歳の男性が射殺された。被害者には強盗及び違法薬物譲渡の犯歴があり、現在のところ、警察が細部を捜査中である。
  ウ 12月1日
パレルモ市内において、35歳の男性が殺害された。被害者は違法薬物使用の疑いがあり、後日、加害者が逮捕された。警察の調べによると、加害者は違法薬物の譲渡人であり、両名は、同薬物の売買に関して口論となった末、殺人に発展したものとみられている。
(2)強盗・窃盗
ア 10月5日
ローマ市内のスーパーマーケットに、営業中、銃武装した強盗が押し入り、現金を強奪した。犯人はスクーターに乗って逃走しており、現在のところ、警察が監視カメラ画像を分析する等、細部を捜査中である。
  イ 10月19日
    ローマ市内のカフェに、営業中、ナイフを携行した強盗が押し入り、脅迫による現金の強奪を試みたものの、女性店員の通報により、犯人は駆け付けた警察官に逮捕された。
  ウ 10月22日
    ローマ市内の郵便局に、営業中、銃武装した強盗が押し入り、現金を強奪した。現在のところ、警察が細部を捜査中である。
  エ 11月15日
    ローマ市内の薬局に、深夜の営業時間外、窃盗犯が侵入し商品の窃取を試みたものの、通行人の通報により、犯行中、駆け付けた警察官に逮捕された。
  オ 11月29日
    ローマ市内のバス停留所において、バスを待っていたペルー人の女性が強盗犯に急襲されたものの、現場付近を巡回していた警察官により犯人は逮捕された。
  カ 12月12日
    ローマ市郊外において、銃武装した2名の強盗が、現金輸送車を急襲し、現金を強奪したものの、逃走車両を警察官により追跡され、同日中に逮捕された。
(3)性犯罪
ア 10月2日
    ローマ市内(コロッセオ付近の公園)において、イタリアに留学中であった49歳のオーストラリア人女性が、40歳のルーマニア人男性より強姦被害を受けた。加害男性については、警察の監視カメラ画像の分析により、後日、警察官により逮捕された。
  イ 11月21日
    ローマ市内において、ナイジェリア人女性がリベリア人男性より強姦被害を受けた。加害男性については、被害女性の通報により、後日、警察官により逮捕された。
(4)その他
12月9日、ローマ市内において、20歳の中国人女性が轢死体で発見された。同人は所持品の窃盗被害により、実父へクレジットカードの使用停止を求めて連絡したのを最後に、同月5日より行方不明であった。現場付近の監視カメラ画像によると、同人は何者かを追跡している途中、列車に接触したとみられている。現在のところ、警察が細部を捜査中である。

4 テロ・爆弾事件発生状況
  特になし。

5 誘拐・脅迫事件発生状況
  特になし。

6 対日感情の変化
  特になし。

7 日本企業の安全に関する諸問題
  特になし。