海外安全対策情報2017年1月~3

 

 

 

1 治安情勢及び一般犯罪の傾向等
警察による治安対策が一定の成果を挙げているものの、スリ、ひったくり等の軽犯罪は依然として多数発生している。また、リビア等近隣国における法執行機能の不全等を背景にして、島嶼部を含むイタリア南部に、多数の移民が短期間で押し寄せ、特別在留許可を得た者を含む多数のアフリカ系移民が都市部に流入している。

2 日本人被害例
  ローマにおいては、日本人のスリ被害等が前四半期と同程度に発生している状況である。細部の被害状況については、以下のとおり。
(1)スリ 30件(10月~12月 29件)
  ア フィレンツェ市内の市場で買い物をした際、しばらくの間、バッグのファスナーを開放状態にしていた。その後、中を確認したところ、パスポートがなくなっていた。
  イ ローマ市内のテルミニ駅付近で、バッグのファスナーが開いていたことから中を確認したところ、パスポート・キャッシュカードを入れたケースがなくなっていた。
  ウ ローマ市内の地下鉄車内で、乗客2名より車内の窓を開けるようにジェスチャーで指示されたことから、それに従った。その後、肩から提げていたバッグの中を確認したところ、財布・パスポートがなくなっていた。
  エ フィレンツェ市内の観光地で写真撮影をした後、バッグのファスナーが開いていたことから中を確認したところ、財布、パスポート等がなくなっていた。
(2)置き引き 18件(10月~12月 21件)
  ア フィレンツェ市内のレストランで食事をした際、二人組の男性の内、1名がコインを落としたので、バッグを横に置いて拾おうとしたところ残りの1名にバッグを盗まれた。
  イ ローマ市内の路上で友人と会話をした際、スーツケースの上に置いていたカバンを盗まれた。
  ウ フィレンツェ市内のホテルでツアーの出発を待っていた際、カウンター上に置いていたバッグを盗まれた。
  エ ローマ市内の鉄道に乗車した際、横の座席に置いたバッグを盗まれた。
(3)ひったくり 8件(10月~12月 11件)
  ア ナポリ市内で、バイクに乗った人物に、斜め掛けにしていたバッグをひったくられた。
  イ ナポリ市内で路地裏を歩いていたところ、バイクに乗った人物に、後方からバッグをひったくられた。

3 殺人・強盗等凶悪犯罪例
  外国人が被害者となった事件が発生したものの、日本人の被害については認められなかった。同事件等の概要については、以下のとおり。
(1) 殺人
  ア 1月1日
    フィレンツェ郊外において、警察官がモロッコ国籍の男性の遺体及びその友人と見られる重傷を負った男性を発見した。現在のところ、警察が細部を捜査中である。
  イ 1月8日
    ナポリ市内において、21歳の男性が射殺された。警察の調べによると、被害者には違法薬物譲渡の犯歴があり、加害者はスクーターで被害者に接近し、発砲後、現場から逃走したものとみられている。
  ウ 2月4日
    ローマ市内において、70歳の男性の遺体が発見された。同人は、銃弾により頭部を損傷しており、現在のところ、警察が自殺の可能性を含め、細部を捜査中である。
(2)強盗・窃盗
  ア 1月13日
    パレルモ市内の飲食店に、営業中、3人組の若者が押し入り、店員に銃を突きつけ、700ユーロを強奪した。現在のところ、警察による監視カメラ画像の分析等、細部を捜査中である。
  イ 2月1日
    ローマ市郊外のスーパーマーケットに、営業中、銃武装した二人組の強盗が押し入り、現金を強奪した。同人らは、警備員2名を負傷させ、現場から逃走している。現在のところ、警察が細部を捜査中である。
  ウ 2月22日
    ローマ市内の郵便局に、営業中、銃武装した二人組の強盗が押し入り、現金を強奪した後、徒歩により現場から逃走した。現在のところ、警察が細部を捜査中である。
  エ 3月1日
    ナポリ市内の郵便局に、営業中、銃武装した三人組の強盗が押し入り、現金を強奪した後、車両により現場から逃走したものの、警察車両により追跡され、同日中に逮捕された。
  オ 3月14日
    ローマ市内の路上において、銃武装した二人組が、現金輸送車を急襲し、現金を強奪した。現在のところ、警察が細部を捜査中である。
(3)性犯罪
   2月21日、バーリ市郊外において、29歳のイタリア人男性が、パキスタン国籍の男性2名より性行為の強要被害を受けた。加害男性らについては、被害者の通報により、後日、警察官により逮捕された。

4 テロ・爆弾事件発生状況
  特になし。

5 誘拐・脅迫事件発生状況
  特になし。

6 対日感情の変化
  特になし。

7 日本企業の安全に関する諸問題
  特になし。