ローマ大学植物園での「お花見」イベント

令和4年4月10日
大江大使と日本盆栽作家協会ヨーロッパ支部長
日本庭園で満開のソメイヨシノ
 4月8日(金)、大江大使夫妻は、ローマ・サピエンツァ大学植物園のアットッレ館長、チッカローネ同学副学長及び西林日本文化会館館長とともに、お花見のオープニング式典に参加しました。このお花見は、2015年に初めて開催され、ローマの親日家が最も待ち望んでいるイベントの一つであり、高い評価と大勢の市民の参加を得ています。
 花を愛で、花から芸術や美学、詩歌のインスピレーションを得るという伝統は、日本の歴史に根ざしています。そして、自然を観賞するとともに、人々が集まる機会として私たちに受け継がれてきました。
 大江大使は挨拶の中で、植物園の日本庭園に咲く桜をイタリアの人々と一緒に眺めることができる喜びに触れ、1~2週間しか咲かない桜の儚く切ない美しさが、その花を眺めることを特別なものにすること、そして、戦争の悲惨なニュースがあふれる暗い日々が続く中で、少しでも平穏や癒やしを与えてくれる旨述べました。
 2日間にわたって行われた日本の芸術・文化に関する数々のイベントは、こうした自然の美しさからインスピレーションを得ています。翌9日(土)と10日(日)には、俳句の短冊が飾られた桜とともに、中島健氏が設計した日本庭園のガイドツアー、裏千家による茶道のデモンストレーション、当地小原流による生け花の展示が行われ、多くの人が訪れました。 日本盆栽作家協会ヨーロッパ支部による盆栽や水石の展示、美術アカデミーの学生による作品の野外展示、折り紙普及センターによる子ども向け折り紙ワークショップ、日本の美学や芸術、文化に関する講演会なども実施されました。
 多くの来場者の関心と主催者の情熱によって、ローマに日本の一角が再現され、イタリアにおける日本文化のさらなる普及に向けた当館の取り組みに大きな刺激を与えてくれました。
日本庭園ガイドツアー
作品「花籠と生け花:歓迎の美」
盆栽、水石と草物
折り紙ワークショップ