9月7日首相令(概要)

令和2年9月10日

第1条 全国土における感染拡大防止緊急措置

1 全国土における新型コロナウイルスの感染拡大防止のため, 2020年8月7日首相令の措置は,(本首相令)第4項に規定される部分を除き,2020年10月7日まで延長される。

2 2020年8月12日保健省命令及び2020年8月16日保健省命令も,(本首相令)第3項に規定される部分を除き,2020年10月7日まで効力を有する。

3 2020年8月12日保健省命令の1条1項及び2項は、2020年8月7日首相令の第6条6項及び7項に規定される事例には適用されない

【参考】
(1)2020年8月12日保健省命令1条「保健衛生上の緊急事態の予防及び管理のための緊急措置」
1 イタリアに入国しようとする者であって、かつ、イタリア入国に先立つ14日間に、クロアチア、ギリシャ、マルタ、スペインで滞在または乗り換えを行った者に対しては、8月7日首相令の規定はそのままとしつつも、以下の予防措置のいずれかが適用される。
 a) 搭乗の際は乗務員,及び取締りを担当する者に対し,イタリア入国の72時間以内にスワブ検体による、分子検査(PCR検査)又は抗原検査の陰性結果を提示する義務。
 b) 可能な場合は空港、港、国境地帯到着時、あるいは到着から48時間以内に指定の地域保健所において、スワブ検体による、分子検査(PCR検査)又は抗原検査を受ける義務。指定の地域保健所で検査を受けるまでは、自身の住居や滞在場所で予防的自己隔離を実施すること。
2 第1項に該当する者は、無症状であったとしても、地方保健所の予防局に自身のイタリア入国を速やかに通知する義務を負う

(2)2020年8月7日首相令第6条「海外からの入国後の健康観察及び自己隔離」

6 (訳注:交通機関の乗組員、リストA国との往来等における適用除外)
7 Covid-19の症状を発症しておらず、また、伊への入国に先立つ14日間に別添20のリストC及びFの国のうち1つ以上に滞在又は乗り換えをしていなければ、第5条の義務は有効のままとして、1項から5項の規定は以下に対しては適用されない。
 c) 証明される業務上の理由により伊に入国する、別添20のリストA、B、C、Dの国・地域の市民及び居住者(residente)
 f)(訳注:イタリア国外での滞在が)120時間を超えない、証明される業務上の理由のために国外へ移動する、伊国内に本社または支社を持つ企業の従業員
 g) 欧州連合・国際機関の職員等、外国公館の外交官、官房・技術専門職員及び領事職員、軍職員
 h) 勉学のため住所・居所のある国とは異なる国に通い、毎日あるいは最低週一回帰宅する学童・学生


4 2020年8月7日首相令には以下の修正が加えられる。

c)第4条1項i)の次に,以下を付け加える。
「i-bis) f)あるいはh)が規定する人と証明される安定した恋愛関係がある者(同居していない場合も含む)が、f)かh)の居住地(domicilio/abitazione/residenza)に到達するための伊入国」

【参考】2020年8月7日首相令第4条(修正前)
1 別添20のリストEの国・地域から/への移動、伊への入国に先立つ14日間にリストEの国・地域に滞在又は乗り換えをした者の伊への入国及び乗り換え、別添20のリストFの国・地域への移動は禁止される。ただし、次に挙げる理由のうち1つ以上に該当し、第5条1項が定める宣誓書を通じてこれが証明される場合を除く。
a) 業務上の必要性
b) 極めて緊急性の高い事態
c) 健康上の必要性
d) 修学上の必要性
e) 自身の住所・居住地・居所への帰還
f) 欧州連合加盟国、シェンゲン協定加盟国、英国、アンドラ、モナコ公国、サンマリノ共和国、バチカン市国の市民による入国
g) 省略
h) 長期滞在許可を持つ第三国市民による入国
(以下略)


d) 第6条6項d)の次に,以下を付け加える。
「d-bis) 保健省による事前の承認を前提とし、国際レベルのスポーツの試合や展示会への参加を含む、延期不可能なイタリア入国。その際、入国に先立つ72時間以内に受けた,スワブ検体による,分子検査または抗原検査の陰性証明書を,搭乗の際乗組員や検査担当員に提示する義務を負う。」

e) 第6条7項のg)の「軍職員」の後に,「及び国家警察職員」を付け加える。

【参考】2020年8月7日首相令第6条(修正前)
6 Covid-19の症状を発症していなければ、第5条の義務は有効のままとして、1項から5項の規定は以下に対しては適用されない。
a) 交通機関の乗務員
b) 輸送・配送業務従事者
c) 別添20のリストAの国と地域から/への移動
d) 保健当局が承認した特別な安全プロトコルにより管理された、業務上の理由による入国
7 Covid-19の症状を発症しておらず、また、伊への入国に先立つ14日間に別添20のリストC及びFの国のうち1つ以上に滞在又は乗り換えをしていなければ、第5条の義務は有効のままとして、1項から5項の規定は以下に対しては適用されない。
g) 欧州連合・国際機関の職員等、外国公館の外交官、官房・技術専門職員及び領事職員、軍職員


f) 別添15(公共交通機関サービス利用者に対する勧告及びCovid-19の感染拡大防止のための組織的対策に関するガイドライン)は本首相令の別添Aの「別添15」に差し替える。

h) 別添20(海外から/への移動)は本首相令の別添Cの「別添20」に差し替える。

 【別添C「別添20」の内容(差し替え後)】
 リストA
 サンマリノ共和国、バチカン市国

 リストB
 オーストリア、ベルギー、キプロス、クロアチア、デンマーク(フェロー諸島及びグリーンランドを含む)、エストニア、フィンランド、フランス(ヨーロッパ大陸外の領土は除く)、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ(ヨーロッパ大陸外の領土は除く)、ポーランド、ポルトガル(アソーレス諸島及びマデイラ諸島を含む)、チェコ共和国、スロバキア、スロベニア、スペイン(アフリカ大陸の領土を含む)、スウェーデン、ハンガリー、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー(スヴァールバル諸島及びヤンマイエン島を含む)、スイス、英国(チャンネル諸島、マン島、ジブラルタル並びにキプロス島内の英国主権基地領域を含み、ヨーロッパ大陸外の英国が国際関係上の責任を持つ領土は除く)、アンドラ、モナコ公国

 リストC
 ブルガリア、ルーマニア

 リストD
 オーストラリア、カナダ、ジョージア、日本、ニュージーランド、ルワンダ、韓国、タイ、チュニジア、ウルグアイ

 リストE
 他のリストに明記されていない全ての国・地域

 リストF
 2020年7月9日から:アルメニア、バーレーン、バングラデシュ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブラジル、チリ、クウェート、北マケドニア、モルドバ、オマーン、パナマ、ペルー、ドミニカ共和国
 2020年7月16日から:コソボ、モンテネグロ、セルビア
 2020年8月13日から:コロンビア


第2条 最終規定

1 本首相令の規定は,2020年9月8日から適用され,10月7日まで有効である。

2 省略
 

2020年9月7日 ローマ
コンテ首相 (署名)
スペランツァ保健相 (署名)

 

別添A「別添15」:公共交通機関サービス利用者に対する勧告及びCOVID19の感染拡大防止のための組織的対策に関するガイドライン(概要)(注:基本的に事業者に対するガイドライン)


※下線部:前回からの変更箇所

a) 一般的対策:
全交通モードに有効な、遵守すべき一般的な規則は次のとおり。
・ 公共交通機関へアクセスする施設(鉄道駅、バス停等)の入口や内部、乗り物内部では、鼻と口の保護のために、マスク着用が義務。
・ 体温37.5℃以上と確認された場合の、事業者による乗客等の扱いの明確化。
・ 駅や空港等で最低1mの対人距離を確保するため、必要に応じ入口で入場制限実施。
・ 乗り物への乗降、主要駅、バスターミナル、空港等での移動中、乗客の待合場所及び乗り物内部において、最低1mの対人距離を確保しつつ(未成年及び視覚障害者に同居者が同伴している場合は除く)、接触の機会を制限するための対策を講じること。
・ 防護マスク着用義務を維持しつつより機能的に公共交通機関輸送量を確保し、スペースを最適化するため、乗り物内での座席の垂直的利用(当館注:背中合わせ又は顔と顔が向き合わない形)を進めることができる。
・ 同居人同士である場合、また血縁者や安定した対人関係を結んでいる者同士である場合、1メートルの対人距離は必要ない。対人距離規定への違反の検証の際には、上述の関係の有無を示す自己宣誓がなされうる。例を挙げれば、配偶者、同居していないが安定的な付き合いのある直系及び傍系の親戚・姻戚関係にある者、親戚・姻戚又は婚姻関係になくとも普段同じ場所を共有している者。これは、上述の者同士の接触歴の追跡を可能にするためでもある。

b)公共交通機関の利用者に対する勧告:
・ 強い呼吸器系感染症状(発熱、咳、風邪)がある場合は、公共交通機関を利用してはならない。
・ 可能な限り、オンラインやアプリで電子チケットを購入する。
・ 駅構内、バス停等では、1mの対人距離を確保し指定の通路等を守る。
・ 公共交通機関を乗降する際、1mの対人距離を確保し指定された扉を使う。
・ 他の着席客との距離を確保しつつ、認められた場所のみに着席する。
・ 公共交通機関の運転者に接近したり、情報を求めたりすることは避ける。
・ 公共交通機関の利用中、頻繁に手を消毒し、顔を触るのを避ける。
・ ウィルスの拡散を管理するためのアプリ「Immuni」を利用する。

各交通モードでの技術的対策
<航空>

・ 空港への入場制限を行う。可能であれば、利用者同士の接触を回避するために出入り口の扉を明確に分離する。
・ セキュリティチェック前の空港内のすべての共有スペースにおいて、混雑を回避するために、入場制限を行う。
・ 航空機内、ターミナル内及びその他の空港施設内(例えば、乗客輸送のためのバス等)で最低1mの対人距離を確保する。以下のような場合には、機内での1mの対人距離確保の例外を認める。
- 3分ごとの換気が行われ、空気の流れが垂直であり、HEPAフィルターが採用され、これらの予防措置を以て非常に高度な空気浄化が可能である。また、保健衛生上の安全プロトコールを採用し、搭乗前の体温測定で体温が37.5℃を超えている場合には旅客の搭乗を禁止する。
- サージカルマスクの使用時間は4時間を超えないようにし、この時間を上回る際にはマスクの交換を確保する。
- 移動に際して乗客同士の密接な接触を避けるため、航空機への搭乗・降機、座席の配置に関してそれぞれ統制を行う。
- オンライン若しくは空港でのチェックイン時点又は搭乗の時点において、COVID19の症状を呈する前及び呈した時点から14日を経ていない感染者との濃厚接触歴が直近2日以内にない旨を証明する所定の自己証明書を旅客から回収する。
- 接触歴を明確にするため、旅客は、降機から8日以内にCOVID19の症状を発症した場合に運航会社及び地域の保健当局への通報を行う義務を負う。
- 機内での人の動きを可能な限り制限する。航空会社は、空港管理会社とともに、座席上    の共用収納棚に入るサイズの手荷物の機内への持ち込みを可能とする特定の手続を定めることができる。また、機内の座席割り当てに基づいて選択的な搭乗・降機を行い、搭乗・降機時の密集を避けるために必要とされるオペレーション時間を確保し、人が動くフェーズを最小限にする(例えば、座席上の共用収納棚付近での接触を避けるために搭乗・降機時に乗客を個別に呼ぶなど)。
- 座席上の共用収納棚に入れる衣類(ジャケットやコート、セーター等)は、他の旅客の衣類との接触を避けるため、搭乗時に運航者から配布される使い捨ての袋に入れなければならない。

<海上交通・港湾>、<地方におけるバス・鉄道・湖水交通機関>(略)

<鉄道>
主要駅においては:

・ 利用客の流れによる接触回避のために、可能であれば、入口と出口の扉を明確に分離する。
・ 混雑低減のため駅及びプラットフォームへのアクセシビリティを最大限確保する。
・ いかなる理由であれ駅構内にいる者は誰でも、鼻と口を保護するため、マスクを使用する。
・ ゲートがある場所においては、体温チェックを実施することが望ましい。

列車内においては:
・ 使用できない座席にマーカーが貼られた車両内において、1メートルの物理的な距離を確保する。
・ 乗客は、鼻と口を保護するために必ずマスクを着用する。

オンライン予約が可能な長距離列車においては:
・ 予防的予約システムにより、社会的距離を確保すること。
・ 車内にウィルス陽性者あるいはウィルス陽性の疑いがある乗客がいた場合に管理できるよ
う、全ての乗客が識別できる記名チケットとすること。
・ 中/長距離路線の乗客は、バールのある車両への移動を避けるような方法で飲食/支援サービスを利用できる。マスクと手袋を装着したスタッフが、一人分用密封パッケージの食事及び飲料を「席まで」運ぶことでこのサービスが保証される。
・ 高速鉄道が出発する駅では、高速鉄道及びインターシティ専用の入り口において、車両に乗車する前に体温測定を行うことを義務とする。37.5℃を超える体温が検出された場合、乗車は許可されない。
鼻と口の保護のためのサージカルマスクの使用時間は4時間を超えないようにし、この時間を上回る際にはマスクの交換を確保する。
乗客が移動する際、密な接触を避けるため、列車への乗降、割り当てられた座席への着席を個別に統制し、座席の変更は決して行わない。
運行者の責任の下で最低1mの対人距離を常時確保できない場合、向かい合った座席(顔と顔が向き合う形)の使用可能性はつねに排除されなければならない。向かい合った座席と座席の間に距離がある場合も、走行中、対人距離を守る義務につき通知されなければならない。
空調機器の使用及び、駅での停車時には外部ドアを開放することによって車内の空気の換気を行う。空気の流れが垂直になるようにし、駅での停車時間中、乗車・降車用のドアが開放されたままになるよう手順を講じる。また、保健衛生上の安全プロトコールを採用し、乗車前の体温測定を実施して、体温が37.5℃を超えている場合には旅客の乗車を禁止する。
どうしても必要な場合を除き、列車内での移動はできるだけ制限されなければならない。

長距離列車の車内において、以下のような場合には1mの対人距離確保の例外を認める。

縦に並ぶ独立した座席で、乗客の頭を越える高さの背もたれがある場合。
隣接する座席あるいは対面の座席の利用が、血縁者及び/又は同一の住居の同居者である乗客、同居していないが安定的な付き合いがあり、他の環境(職場など)で1mの対人距離の遵守を義務付けられていない乗客による使用のみに限定される。

<定期路線でない輸送サービス(タクシー、ハイヤーなど)>
定期路線でない輸送サービスについては、全公共交通サービスに関する一般規則に加えて、第一に、乗客が運転者の隣に座ることを避けなければならない。一般的な車両の後部座席については、安全な距離を確保する目的に鑑み、個人用保護具を着用している場合においても2名を超える乗客を乗せることはできない。後部座席を利用する個々の客については、車両が座席の列の間に仕切りを備えている場合には、マスクの使用は義務ではない。
6名以上の乗客用の車両においては、上記を準用し、マスクを着用しつつ、座席の列毎に2名を超えない乗客を乗せることとする。

その他のサービス(略)(了)