海外安全対策情報(2021年4月~6月)
令和3年8月27日
1 治安情勢
新型コロナウイルス感染防止策としての入国制限、移動制限等の措置が緩和され、観光客の流入が増えたことから軽犯罪全般が増加傾向に転じている。また政策に抗議するデモやストライキも引き続き発生しており、巻き込まれて怪我を負う可能性の他、感染症のリスクからも集団には近づかないように注意する必要がある。2 日本人被害例
今期において、在留邦人の被害は確認されなかった。3 殺人・強盗等凶悪犯罪例
(1)殺人ア 5月29日
ラツィオ州ローマにおいて、スリランカ人女性が刺殺された。加害者は被害者の夫であり、被害者が商店から出てきた際にナイフで繰り返し刺した。
イ 6月22日
ラツィオ州ローマの地下鉄駅前において、イラク人男性が刺殺された。加害者は被害者の経営する洗車場で働いていたアルメニア人の男であり、被害者から解雇通知を受けたことによる怨恨での犯行であった。
(2)強盗
ア 4月16日
ラツィオ州ローマにおいて、サッカー選手が別荘にて強盗被害に遭遇した。3人の武装集団が別荘に押し入り、被害者を脅迫して金庫にあった貴金属類を盗んで逃走した。被害者とその家族は無事であった。
イ 6月17日
ラツィオ州ローマにおいて、男性がキャッシュ・ディスペンサーで現金を引き出した直後、何者かに襲われ現金をすべて強奪された。
4 テロ・爆弾事件発生状況
6月16日ラツィオ州ローマのプラーティ地区において、ローマ市評議会員の男性が、自身の車に爆弾が取り付けられていることを発見し、警察に通報した。通報を受けた警察は直ちに爆弾処理部隊を派遣し、当日中に爆弾は処理された。男性は過去にローマ市の公園管理の不備に関する告発を行い、それに反発したと思われる団体から脅迫を受けていたほか、車両に盗聴器を仕掛けられたこともあった。
また現場はローマのサッカースタジアムから数キロの地点であり、当日はサッカーの代表戦が行われる予定であったことから、警察はテロの可能性も考慮しスタジアムの2キロ圏内を一時封鎖し対処に当たった。