海外安全対策情報(2023年1月~3月)

令和5年4月13日

1 治安情勢
イタリア国内の軽犯罪の発生件数は引き続き高い水準にあります。
この期間は、大学生の旅行者が増えるシーズンと重なったと推測され、犯罪被害に遭われる若い方が急増した状況です。旅券の盗難に遭う方が多くいらっしゃったほか、旅券を紛失してしまうケースも多く見られました。旅券を紛失してしまうと、警察への紛失届提出や、大使館での帰国のための渡航書発給手続を行わなければならないため、予定していたご旅行を継続できなくなります。また、帰国のための渡航書の発行に際し、最低でも1~2営業日程度の時間が必要であるため、帰国日程を変更せざるを得なくなってしまうケースが多くみられます。
旅行中に、美術館等で音声ガイドを借りる際のデポジットとして旅券を預けたり、入口で提示する機会があるかと存じます。このような場合に受取を忘れるケースもありますので、ご注意ください。
 
2 日本人被害例
大使館に通報された被害報告は25件でしたが、通報されないケース(旅券は無事で、金銭のみが盗まれた場合など)も多数発生しているものと思われます。公共交通機関(特にローマ市地下鉄A線テルミニ駅-スパンニャ駅間及び、B線テルミニ駅-コロッセオ駅間)を利用中にいつの間にかカバンを開けられ、スリの被害に遭うケースがほとんどです。お手回り品から決して目を離さず、油断しないでください。特に、混雑した車内でリュックをお持ちの場合は、チャックを開けられても気づけないことがあります。貴重品をリュックに入れて歩き回るのは危険です。また、貴重品入れごとカバンから抜き取られるケースが多くなっています。貴重品は分散して持ち歩くことで、万が一の場合に被害を軽減できます。
被害状況の例については以下のとおりです。
(1)スリ(19件)
ア ローマ市地下鉄A線乗車中にテルミニ駅-レップブリカ駅間にて、外国人からぐいぐいと体を押しつけるようにぶつかられ、電車を降りた際にリュックが開けられていることに気づき、中に入れていた貴重品入れ(旅券および金銭)が盗まれていた。
イ ローマ市内のレストランにおいて食事中、他にも席が空いているにも関わらず、隣に外国人が座ってきた。怪しいとは思ったが、食事後に椅子に置いていたカバン(旅券および現金入り)が無くなっていることに気づいた。
(2)旅券紛失(6件)
ア 空港の搭乗口で旅券を提示する際に、紛失してしまったことに気がついた。空港警察等に問い合わせたが、旅券の発見には至らなかった。
イ 長距離バスを下車した後、旅券を紛失したことに気づいた。バス会社に連絡したところ、2日後に車内で旅券が見つかった旨、連絡があり回収した。
 
3 特異な犯罪事例
  ローマ市内にあるテルミニ駅及び同周辺地区において、凶悪事件(強盗傷害など)が数件発生しております。警察が警戒を強化しておりますが、挙動不審な人物がいた場合には近づかない、夜間人通りが少ない時間に出歩かないなど、自分の身を守るために基本的な対策を励行してください。
 
4 テロ・爆弾事件発生状況
特になし。
 
5 誘拐・脅迫事件発生状況
  特になし。
 
6 対日感情の変化
  特になし。
 
7 日本企業の安全に関する諸問題
  特になし。