海外安全対策情報(2025年1月~3月)

令和7年4月18日
1 治安情勢
  イタリア国内の軽犯罪の発生件数は非常に多くなっています。
  日本国内の年末年始休暇シーズンと重なった今期には、例年と比較しても当該期間中の被害者が増加しました。犯罪被害に遭われる方に特徴はなく、幅広い年代の方が被害に遭われています。
  今期から「2025年旅券」の発給が開始されたため、当館での旅券再発行ができなくなりました。特に在留邦人の方におかれましては、旅券再発行に約1ヶ月程度の時間を要することとなるため、これまで以上に旅券の管理にご注意ください。
 
2 日本人被害例
  今期中に大使館に通報された被害報告は42件でしたが、その他にも旅券は無事だったものの、金銭やスマートフォンなどの貴重品が盗まれたとのご連絡も多数受けております。
  被害事例を見ると、スリ事件は公共交通機関利用時に多く発生しております。加害者と思われる人間は手が隠れるように上着を保持しているなど、身なりに不自然な点が見られる場合もあるようです。そのような人が付近にいるときには、その場を離れる等、周囲の状況には十分ご注意ください。
  被害に遭われた方の大半はリュックから貴重品を窃取されています。目が届きにくいリュックに貴重品を入れて持ち歩くのは危険です。
  その他、貴重品入れごとカバンから抜き取られるケースが多くなっています。貴重品は分散して持ち歩くことで、万が一の場合に被害を軽減できます。
  被害状況の例については以下のとおりです。
(1)スリ(30件)の典型的事例
  ア ローマ市地下鉄A線乗車中に、他にスペースがあるにもかかわらず数人に囲まれてもみくちゃにされた。その後、彼らは下車したが、いつのまにかリュックが開けられていることに気づき、中を確認したところ貴重品入れ(旅券及び金銭)が盗まれていた。
  イ 駅のエレベーターを利用した際に、数人のグループが同乗してきてエレベーター内が若干混雑した状況であった。その後、いつのまにかカバンから貴重品が抜き取られている事に気がついた。
(2)置き引き(9件)
  ア 長距離列車を利用中、網棚に置いていた荷物がいつの間にかなくなっていた。
  イ 高級ホテルのロビーでツアーの集合時間を待っていた。その際に、カバンをソファーに置いた状態で現地コーディネーターとの会話に夢中になっていたところ、荷物がなくなっていた。
 
3 最近増えている事例
(1)公共交通機関利用時のトラブル
  最近は公共交通機関利用時のトラブルの相談が増えています。ご利用にあたってはチケットの購入方法や乗車方法などを事前にご確認頂き、無用なトラブルに巻き込まれることがないようにご注意ください。
  特に、クレジットカードのタップ機能を用いた乗車時に、タップができていないもしくは、クレジットカード情報が先方のシステムに反映されるのに時間がかかっていると思われる事象のため、検札をされた際に不正乗車とみなされて罰金を請求されるケースが増えています。
  なお、イタリア国内で一般的に検札の必要がない公共交通機関は高速鉄道(国鉄:フレッチャロッサ、私鉄:イタロ)のみです。
  ※参考
   トレインイタリア(国鉄)https://www.trenitalia.com/en.html
   イタロ(私鉄)https://www.italotreno.it/en
   ATAC(ローマ市の公共交通機関運行会社)https://www.atac.roma.it/
(2)緊急旅券の発給(3件)
  3月24日から日本国内での旅券集中作成が開始され、当館での旅券再発給ができなくなりました。これに代わる措置として、欧州内を周遊する方や日本国外にお住まいの方を対象として緊急旅券の発給を開始いたしました。
  上記、緊急旅券にはICチップが搭載されていないため、国によっては入国前にビザの取得が必要な場合や、シェンゲン圏内の国であっても入国を認めていない場合があります。実際に、現在お住まいの国が日本国緊急旅券での入国を認めていないために、日本に一時帰国せざるをえなくなったケースもございます。
  ⇒旅券再発給には約1ヶ月を要します。
  これまで以上に旅券の管理には細心の注意を払うようにしてください。
  各国の日本国緊急旅券での入国要件については、下記リンクにまとめておりますので、ご参照ください。
  https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100804073.pdf
  ※参考までに、2025年4月15日現在、シェンゲン圏内であってもフランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、ポーランド、ラトビア及びハンガリーは緊急旅券での入国を認めていません。途中のパスポートコントロールがないからと無理に入国すると、強制送還の対象となったり拘束される可能性があるので絶対にやめてください。
  ノルウェー、デンマーク、マルタについては確認中であり、先述以外の国も入国前の査証取得を求めている場合があります。
  いずれにせよ、詳細は、ご本人様に直接イタリアにある当該国大使館もしくは総領事館等を通じて確認して頂く必要があります。
 
4 特異な犯罪事例
  特になし。
 
5 テロ・爆弾事件発生状況
  特になし。
 
6 誘拐・脅迫事件発生状況
  特になし。
 
7 対日感情の変化
  特になし。
 
8 日本企業の安全に関する諸問題
  特になし。