海外安全対策情報(2025年7月~9月)

令和7年10月16日
1 治安情勢
 9月に入ってからイスラエル・パレスチナの諸情勢に起因したデモがイタリア国内各地で発生しております。報道等によると、9月22日にはミラノ中央駅付近でデモ隊と治安部隊との激しい衝突がありました。例年9月から11月にかけてイタリア国内におけるデモの件数は増加傾向にありますので、ご来訪の際は報道等で最新の情報を入手し、ご自身の安全確保に努めてください。
 また、イタリア国内の軽犯罪の発生件数は引き続き高い水準にあります。特にスリ及び置き引きの被害に遭われる邦人が後を絶たない状況です。盗難被害に遭われると、事後の処置等に追われ、予定していた旅程を継続するのが困難な状況に陥ります。比較的治安の安定している日本とは異なる環境ということを十分認識の上、ご旅行等をされるようお願いします。
 
2 日本人被害例
 今期中に大使館に通報された被害報告は45件でした。事例としては第1四半期と同様、スリの被害に遭われたケースが最多でした。
 被害状況の例については以下のとおりです。
 スリ(24件)の典型的事例
(1)トレビの泉で数人の女性から「写真を撮ってあげる」と声をかけられ撮影してもらっている間に、バッグからパスポート等が入ったポーチを抜き取られた。
(2)「駅の出口へ向かうエレベーターはこちらです」と親切そうに誘導してきた女性と複数人の子供に取り囲まれ、サイドポーチに入っていたパスポート、現金及びクレジットカードを盗まれた。
 
3 最近増えている事例
(1)置き引き
   列車など公共交通機関での移動の際に、荷物棚や座席上の棚に荷物を置いている状態で睡眠を取るなど、注意が散漫になっている際に盗難被害に遭われるというケースが急増しております。当地公共交通機関の荷物棚等は窃盗の温床と化しているため、特に貴重品類に関しては常時携行しておくことを推奨いたします。
(2)旅券(パスポート)紛失事案
   今期はご自身の不注意による旅券紛失事例も増加しました。所持品の盗難への対策を講じるとともに、保管状況についても細心の注意を払うようにしてください。当館で認知した一例は以下のとおりです。
  ア スタディオ・オリンピコで開催されたコンサートに行ったが、帰りの道中でパスポートを紛失したことに気づいた。会場に問い合わせたが、当該旅券は見つからなかった。
  イ 飛行機で移動中、座席前の荷物ポケットに旅券を入れた状態で降機し、後から放置したままであったことに気づいた。航空会社に確認したが、当該旅券は見つからなかった。
 
4 特異な犯罪事例
  特になし。
 
5 テロ・爆弾事件発生状況
  特になし。
 
6 誘拐・脅迫事件発生状況
  特になし。
 
7 対日感情の変化
  特になし。
 
8 日本企業の安全に関する諸問題
  国内各地においてデモが増加傾向にあります。過激化したデモに巻き込まれる等の潜在的リスクがあるため、企業の担当者におかれては駐在員や出張者への最新の情報提供及び注意喚起を推奨します。